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http://www.animeanime.biz/all/2010042702/
世界的に人気の高い『ドラゴンボール』シリーズの最新版『ドラゴンボール改』が、今年秋から米国の地上波ネットワークで全米放映されることが決定した。テレビ放映を手がける4キッズエンタテインメント(4Kids Entertainment)が、4月26日に発表した。4キッズとアニメを製作した東映アニメーション、そして北米での『ドラゴンボール改』のマスターライセンスを管理するファニメーション(FUNimation Entertainment)との合意で実現する。
番組は米国の5大ネットワークのひとつTheCWの土曜日朝のアニメーション番組放映枠「TheCW4Kids」で放映される。4キッズは、2010年から2011年の中核番組とする構えだ。放送に先立って、この夏にはプレミア放送も行う。『ドラゴンボール改』は、今年春から大手アニメーション専門チャンネル ニックトゥーン(ニコロデオン)での放映も決まっており、地上波とケーブルの双方で、視聴者へのリーチ拡大を目指す。
『ドラゴンボール改』は『ドラゴンボールZ』放送開始20周年を記念して、『ドラゴンボールZ』を最新デジタル技術により新たに蘇らせたものである。フィルムをHDリマスター化してフルハイビジョン放送に対応させたほか、原作者の鳥山明さん自らが物語を編集し、スピーディーな展開を実現した。
長年の人気作品を新作として放映することで、新しい世代の子供たちをファンとして取り込む狙いもあるとみられる。『ドラゴンボール』シリーズは米国でも人気が高いが、ここでも『ドラゴンボール改』の地上波テレビ放送をきっかけに新たなファンの獲得を目指すことになる。
「サタデー・モーニング」と呼ばれる米国の地上波テレビの土曜日午前中は、子供向け番組にとって最も重要な放映時間とされている。しかし、近年は、放映番組がアニメーションから教育番組など入れ替わるなど、アニメーションの放映は急減している。それに合わせて、日本アニメの放映もほとんどなくなっている。
その中でTheCW4Kidsは最後のアニメーション専門放映枠であったが、これまでは自社がキャラクターライセンスを持たない作品の放送は原則行って来なかった。『ドラゴンボール改』の北米のキャラクターライセンスは、ファニメーションが行っている。今回は4キッズにとって、ビジネスモデルの大きな変更ともなる。今年初めに日本アニメ重視戦略を明らかにした、同社の今後のビジネスモデルも注目される。
さらに今回の合意で注目されるのが、4キッズがテレビ放映と合わせて『ドラゴンボール改』のインターネット配信の権利も獲得したことである。4キッズは同社が持つ2つのウェブサイト4キッズTV(4kids.tv)と4キッズTVドットコム(4kidstv.com)を利用して、番組配信を行う。
東映アニメーションは国内ではモバイルやインターネットでの事業を重視しており、新ビジネスとして成果を挙げている。国外での同様の展開を目指しているとみられるが、これまでは十分なインフラが築けていない。
モバイルについては、アジア地域以外ではモバイル向けのブロードバンド環境が十分発達していないためとみられる。一方、インターネットでは自前のプラットフォームを作るにはコストがかかることも理由とみられる。海外向けの配信では日本アニメに特化したクランチロールなどはあるが、ユーザー層の中心がアニメファンとなっている。東映アニメが得意とするキッズ向けの作品とはややずれがある。
従来からキッズ向けに特化してきた4キッズのウェブサイトは、『ドラゴンボール改』や東映アニメに向きのサイトと言えそうだ。若い世代の幅広いファン獲得に威力を発揮しそうだ。