日本マンガを蔵書している、アメリカの公共図書館数(タイトル別)
原连接:
http://willowick.seesaa.net/article/123793631.html
今日は、ちょっとした調査をしてみます。
例えば、アメリカのコミック専門店への(での、では
ありません、念のため)日本マンガの売り上げデー
タを知りたければ、ICv2が毎月掲載してくれている
Top 300 Graphic Novelsランキング(2009年6
月分)が参考になるでしょうし、一般書店でのデータも、
USA TODAYのThis week's top 150 best sellers
(7月第二週)や、The New York TimesのGraphic
Best Sellers (Manga)――7月第二週などで、ある
程度チェック出来ますよね。
よくわからないのが、それらのランキングの調査
対象に含まれていないながらも、大きな市場にな
っているとされる、アメリカの公共図書館における
日本マンガのセールスですよね。
マンガを含むグラフィック・ノベルが人気とか、
アメリカ図書館協会の部会であるYALSA-Young
Adult Library Services Associationが毎年
選出するGreat Graphic Novels for Teens
でも、ここ数年日本マンガが多く含まれるように
なった、という話はうちのブログでもよく伝えてき
ましたが、その具体的なデータについては、まだ
よく調べていませんでした。
そうしたらちょうど7月14日付けのPublishers
Weekly電子版に、コロンビア・カレッジ・シカゴ
の非常勤教授である、Todd Allen氏による
レポート、
"Funnies Business: Quantifying Library
Penetration for Graphic Novels"
が掲載されていました(via Icarus Publishing)。
これは、アメリカの公共図書館への、グラフィック
・ノベルのセールスについて簡単に調べたレポート
で、売り上げ上位タイトルに占めるマンガ作品の割
合が高いという一文はあるものの、マンガについて
それ以上の詳しいデータは示されていませんでした。
そこで、Allen氏が一部調査に利用したという、各
公共図書館の横断蔵書検索データベースサイトで
あるWorldCat.orgを僕も利用して、各図書館での、
日本マンガの蔵書状況を、ちょっと調べてみること
にしました。
WorldCatは、アメリカに限らない、ネットに繋がっ
ている世界各国の図書館の、図書、CD、ビデオの
蔵書状況がチェック出来るサービスですが、今回は
アメリカ国内だけに限らせていただきます。
どうやって調べていこうと思いましたが、とりあえず
今日のところは、タイトル別に、どれだけのアメリ
カの公共図書館が日本マンガをその蔵書目録に
加えているのか、その館数をチェックしていきま
すね。
具体的に何冊納入されているのかも、各館ごとに
調べられないことはないです。例えば「NARUTO」
第1巻だと、少なくとも663のアメリカの公共図書館
区域で置かれており、アイダホ州のAda Community
Libraryには13冊、イリノイ州のアレン郡公共図書館
には二ヶ所の分館蔵書も含めて、7冊置いてある、
ということがわかりますが、そういったチェックを、
663の区域全てで行っていくのは、個人の調査能
力を超えていますよね(笑)。数ヶ月くらい、仕事しな
くていいから、この調査に専念してください、私が
養ってあげますから、と言ってくださる心温かい人が
いたら、頑張りますけど。いませんか? ←いませんっ
というわけで、今日の調査で示される数字は、マン
ガを置いてある、図書館の館数までです。
上記に示したように、1館で複数の蔵書がある図書
館もたくさんありますし、一つの図書館名で、その区
域内の小さな分館を含んでいる場合もありますから、
冊数の数字としては、正確なものになりません。
とりあえず各タイトルでの、蔵書の人気傾向を示す
もの、くらいに考えてください。
対象は、少なくとも第1巻を置いてある館が、100
以上ある作品になります。
では、いきます。
1.「はだしのゲン」(中沢啓治 Last Gasp)
―― 899館
2.「フルーツバスケット」(高屋奈月 TOKYOPOP)
―― 862館
3.「ああっ女神さまっ」(藤島康介 Dark Horse)
―― 783館
4.「NARUTO」(岸本斉史 VIZ Media)
―― 663館
5.「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」
(和月伸宏 VIZ Media)
―― 646館
6.「AKIRA」(大友克洋 Dark Horse)
―― 519館
7.「鋼の錬金術師」(荒川弘 VIZ Media)
―― 510館
8.「Bleach」(久保帯人 VIZ Media)
―― 498館
9.「ブッダ」(手塚治虫 Vertical)
―― 489館
10.「鉄腕アトム」(手塚治虫 Dark Horse)
―― 478館
11.「DEATH NOTE」
(作・大場つぐみ/画・小畑健 VIZ Media)
―― 444館
12.「らんま1/2」(高橋留美子 VIZ Media)
―― 435館
13.「ドラゴンボールZ」(鳥山明 VIZ Media)
―― 414館
14.「ラブひな」(赤松健 TOKYOPOP)
―― 402館
15.「犬夜叉」(高橋留美子 VIZ Media)
―― 393館
16.「東京ミュウミュウ」(征海未亜 TOKYOPOP)
―― 389館
17.「彼氏彼女の事情」(津田雅美 TOYOPOP)
―― 375館
18.「ONE PIECE」(尾田栄一郎 VIZ Media)
―― 360館
19.「ヒカルの碁」
(作・ほったゆみ/画・小畑健 VIZ Media)
―― 340館
20.「美少女戦士セーラームーン」
(竹内直子 TOKYOPOP)
―― 337館
21.「よつばと!」(あずまきよひこ ADV Manga)
―― 335館
22.「ヴァンパイア騎士」(樋野まつり VIZ Media)
―― 332館
23.「HELLSING」(平野耕太 Dark Horse)
―― 326館
24.「東京うばすて山」
(辰巳ヨシヒロ Drawn & Quarterly)
―― 325館
25.「幽☆遊☆白書」(冨樫義博 VIZ Media)
―― 316館
26.「プラスアニマ」(迎夏生 TOKYOPOP)
―― 289館
27.「D・N・ANGEL」(杉崎ゆきる TOKYOPOP)
―― 287館
28.「しゅごキャラ!」(PEACH-PIT Del Rey)
―― 276館
29.「火の鳥・未来編」(手塚治虫 VIZ Media)
―― 272館
30.「いばらの王」(岩原裕二 TOKYOPOP)
―― 265館
31.「きりひと讃歌」(手塚治虫 Vertical)
―― 263館
32.「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE」
(CLAMP Del Rey)
―― 252館
33.「Dramacon」
(Svetlana Chmakova TOKYOPOP)
―― 249館
34.「ゴン」(田中政志 CMX)
―― 247館
35.「グラビテーション」(村上真紀 TOKYOPOP)
―― 247館
36.「トライガン」(内藤泰弘 Dark Horse)
―― 246館
37.「キングダムハーツ チェインオブメモリーズ」
(天野シロ TOKYOPOP)
―― 245館
38.「あずまんが大王」(あずまきよひこ ADv Manga)
―― 236館
39.「テニスの王子様」(許斐剛 VIZ Media)
―― 236館
40.「xxxHolic」(CLAMP Del Rey)
―― 226館
41.「FAIRY TAIL」(真島ヒロ Del Rey)
―― 224館
42.「キッチンのお姫さま」(安藤なつみ Del Rey)
―― 221館
43.「げんしけん」(木尾士目 Del Rey)
―― 220館
44.「武装錬金」(和月伸宏 VIZ Media)
―― 210館
45.「桜蘭高校ホスト部」(葉鳥ビスコ VIZ Media)
―― 201館
46.「ちょびっツ」(CLAMP TOKYOPOP)
―― 197館
47.「カードキャプターさくら」(CLAMP TOKYOPOP)
―― 193館
48.「NANA」(矢沢あい VIZ Media)
―― 193館
49.「吸血鬼ハンターD」(小説・菊地秀行 Dark Horse)
―― 187館
50.「子連れ狼」(作・小池一夫/画・小島剛夕 Dark Horse)
―― 187館
51.「高校デビュー」(河原和音 VIZ Media)
―― 186館
52.「絶対彼氏。」(渡瀬悠宇 VIZ Media)
―― 182館
53.「地球へ…」(竹宮恵子 Vertical)
―― 181館
54.「かりん」(影崎由那 TOKYOPOP)
―― 180館
55.「GetBackers-奪還屋-」(綾峰欄人 TOKYOPOP)
―― 180館
56.「グイン・サーガ」(原作小説・栗本薫 Vertical)
―― 180館
57.「シャーマンキング」(武井宏之 VIZ Media)
―― 178館
58.「ロザリオとバンパイア」(池田晃久 VIZ Media)
―― 176館
59.「メトロポリス」(手塚治虫 Dark Horse)
―― 175館
60.「どろろ」(手塚治虫 Vertical)
―― 175館
61.「スクールランブル」(小林尽 Del Rey)
―― 175館
62.「寄生獣」(岩明均 Del Rey)
―― 173館
63.「機動天使エンジェリックレイヤー」
(CLAMP TOKYOPOP)
―― 172館
64.「放課後保健室」(水城せとな Go Comi)
―― 169館
65.「西の善き魔女」
(作・荻原規子/画・桃川春日子 TOKYOPOP)
―― 166館
66.「BLACK CAT」(矢吹健太朗 VIZ Media)
―― 165館
67.「花ざかりの君たちへ」(中条比紗也 VIZ Media)
―― 164館
68.「花より男子」(神尾葉子 VIZ Media)
―― 164館
69.「アポロの歌」(手塚治虫 Vertical)
―― 162館
70.「魔法先生ネギま!」(赤松健 Del Rey)
―― 161館
71.「名探偵コナン」(青山剛昌 VIZ Media)
―― 161館
72.「十二国記」(小説・小野不由美 TOKYOPOP)
―― 157館
73.「涼宮ハルヒの憂鬱」
(原作小説・谷川流 Little, Brown)
―― 156館
74.「金色のガッシュ!!」(雷句誠 VIZ Media)
―― 154館
75.「新世紀エヴァンゲリオン」(貞本義行 VIZ Media)
―― 149館
76.「藍より青し」(文月晃 TOKYOPOP)
―― 143館
77.「MONSTER」(浦沢直樹 VIZ Media)
―― 142館
78.「劇画漂流」(辰巳ヨシヒロ Drawn and Quarterly)
―― 139館
79.「ふしぎ遊戯 玄武開伝」(渡瀬悠宇 VIZ Media)
―― 136館
80.「アンドロメダ・ストーリーズ」(竹宮恵子 Vertical)
―― 135館
81.「ブラック・ジャック」(手塚治虫 Vertical)
―― 134館
82.「攻殼機動隊」(士郎正宗 dark Horse)
―― 134館
83.「リアル」(井上雄彦 VIZ Media)
―― 133館
84.「CLAMP学園探偵団」(CLAMP TOKYOPOP)
―― 131館
85.「ローゼンメイデン」(Peach-Pit TOKYOPOP)
―― 131館
86.「銃夢」(木城ゆきと VIZ Media)
―― 127館
87.「伯爵カインシリーズ」(由貴香織里 VIZ Media)
―― 125館
88.「LOVELESS」(高河ゆん TOKYOPOP)
―― 124館
89.「フルメタル・パニック!」(マンガ版・館尾冽 ADV)
―― 120館
90.「学園アリス」(樋口橘 TOKYOPOP)
―― 117館
91.「西洋骨董洋菓子店」(よしながふみ DMP)
―― 116館
92.「天空のエスカフローネ」(克・亜樹 TOKYOPOP)
―― 116館
93.「のだめカンタービレ」(二ノ宮知子 Del Rey)
―― 112館
94.「クレイモア」(八木教広 VIZ Media)
―― 111館
95.「紳士同盟†」(種村有菜 VIZ Media)
―― 110館
96.「ここはグリーンウッド」(那州雪絵 VIZ Media)
―― 104館
97.「魔法騎士レイアース」(CLAMP TOKYOPOP)
―― 102館
98.「DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルス
BB連続殺人事件」(小説・西尾維新 VIZ Media)
―― 101館
99.「聖伝-RG VEDA-」(CLAMP TOKYOPOP)
―― 100館
100.「バンパイアハンターD」(鷹木骰子によるマンガ DMP)
―― 100館
という感じです。
抜けもたくさんあると思いますが、主だったとこ
ろは、出来るだけ探してみました。
第1位は別格というか、公共図書館ならではの
作品ですね。確か、寄付活動も行っていたような?
こうして調べてみると、アメリカでの図書館向け
市場の大きさも、かなり想像がつくでしょうか。
これだけの数の図書館が、複数巻購入してくれ
る、しかも一般書店と違って、返本はないのです
から。
仮に、全巻購入してくれるとして、ですけど、
「フルーツバスケット」の場合だと、862館×
全23巻×各館での購入数or分館数という計算
になりますから、全体では、何万冊という数に
当然達しますよね。無視出来ない数字です。
個人的には、手塚治虫作品の人気が嬉しいです。
「よつばと!」が図書館受けする作品というのも、
読んだことがある人になら、わかりますよね?
逆に、「ベルセルク」「無限の住人」なんかは、
コミック専門店やオンラインストアでは人気が
ありますけど、「18+」というレイティングもあって、
あまり図書館では買ってもらえない作品です。
ライトノベルについては、まだまだこれから、
という感じでしょうか……。「ハルヒ」なんかは、
マンガより、原作小説の方が納入館数が多いと
ころをみると、やはり図書館としては、小説の
方を歓迎したいのかなーとか。その辺に、ライ
トノベルが入り込めそうな気もします。
あ、それと、ここだけの秘密ですけど。
まさか置いてないですよね?と思いつつも、一応
調べてみたら、松山せいじさんの「エイケン」や、
メガミマガジンの別冊である、「メガミマガジン
DELUXE」の英語版なんかも、置いてくれている
図書館があって、驚きでした。リベラルですね(笑)。
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